小葉擬宝珠  コバギボウシ
藤鈴呼



ぎぼうしゅの咲く頃
おばあちゃんを 思い出す

上の橋の欄干には
玉のような 不思議なソフトクリームが
乗っかっちょん

舐めても 冷たくない
それは 真夏の安らぎ

せせらぎの中に 何 探す
失くしたモノの 向こう岸

手前には 枝垂れ柳

この場所からですと
太陽の光と相まって 金色に映ります故 
こう呼ぶのです

キンモミジの向こうで
ヒラリ 揺れるは 新しい プロペラ

パイロットは 何処ですか

あすこで 木の皮色に 同化している
カマキリさんか

こちらで 今にも 飛び跳ねんとす
カエルさんか

首を捻る角度で もう一度だけ
脳内リフレイン

おばあちゃんの 言葉
ぎぼうしゅさん

やわらかな あの 笑顔と ともに

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自由詩 小葉擬宝珠  コバギボウシ Copyright 藤鈴呼 2016-01-21 19:54:05
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