nonya


風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった

時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた

水面に浮かびながら
約束に薬指を捻じ込んだ
日常から日常へ
あやとりは続けられた

季節に肩肘張ったら
温もりが中指から零れた
明日から昨日へ
竹とんぼは墜ちていった

前を向いていたくて
青空の中に親指を立てた
からからからと
かざぐるまは回り始めた




自由詩Copyright nonya 2016-01-19 18:23:06
notebook Home