はちみつコーヒー
藤鈴呼
はちみつを 貰った
ハチならば 日長いちんち 頑張っている
そんな姿を眺めながら
少しずーつ 大きくなっていくような住処を
憎々しげに眺めることは 無い
こちら側に 進出して来なければ
全く問題など 無いのです
あなた達には あなた性質の 世界観が在って
生き永らえて 来たのでしょうから
こちら側の 肌には
一切 手を出さないで下さいませと
独り言
其れが 叶えられるならば
問題は無かったのにね
ぶっ刺すモンだから
お前 オノレ
一瞬で 憎々しげな存在に
様変わり しちゃったンダ
朝から 溢れるくらいの雨で
何が 一番 溢れんのかって
この想い
そんな 思い出なんて
一等先に 飛ばしましょうって
君が作った 紙飛行機も
濡れちゃうんだから 大問題
どうだ こんなに風が 吹いてんだから
今までで 一番 遠くまで飛ぶ筈だなんて
机上の空論
空で論じたいのに 雲ばっかりで
空なんか 見えないじゃないか
え? どうなんだい?
空は 何処に 存在するってんだい?
空気を吸いながら 煙を吐き出す君が
臭い息 吐きながら 説教をする
そんな事をしているから
心臓病が 近付くんですよ
もうちょっと ゆっくりと
呼吸したら どうなんですか
なんて 言えないから 癒えないんですよ
その心臓
臓器なんて どうってことないね なんて
目に見えるモンしか 信じないアナタだから
致し方ない
此の際 諦めるしか 無いのでしょうって
二人事
今度の人事は どうなるんですかいのう
なんて 呑気に考えながら 一服すれば
はちみつが ニッコリと 微笑んでいる
アタシ を イレテ みて クダサイ ませんか
ませんか!! ませんよ!!!
くだされんわけわからない返答を考えている内に
口を付いて出たのが「有り得ない」
はちみつ紅茶ならば 聞いた事が有るけれど
コーヒーなんて ナンセンスでしょ?
と
目を丸くした瞬間に
そうでもないような 濁り色の瞳が
我に問いかける
そうか キャラメルコーヒーなんて代物も
あったっけな
目の前で ふうふうと 美味しそうに飲む姿と
香りばかりを 楽しんじゃった モンだから
これはもう 試してみるしか 無いでしょうと
心事
心の中で 呟く独り言だから こころごと
ちょっと いぶかしりながらも
ポットから こぽこぽ淹れた コーヒー
違います インスタントなんですから
いつも通り 湯通しした粉に
瓶の中に とろ~りとしたはちみつを
入れりゃあ イイだけなんですよ
と 脳裏で声がするので
従った
したがって 後は
飲むしかない訳だが・・・
うん。 ありえるな。
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