アップライトピアノコンサート
梓ゆい

ピアノを奏でた指先は
詩を書くためのボールペンを握り
最後に送る父への手紙を書き続けた。

父の好きな花達は/何事も無く/式場のライトを浴びて
美しい花びらを/正面玄関に向ける。

ピアノを奏でた指先は
父の骨を拾い上げ
菊の頭を掴んで投げた。


自由詩 アップライトピアノコンサート Copyright 梓ゆい 2016-01-18 03:39:14
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