玉ねぎを包丁で切ると目がしみる
時計の針の音を聞きながらカレーを作る
作り終えて　コップにお酒を入れ飲む
子供の頃から読んでる漫画を読みながら

昔は使っていたけれど
今は使わない文房具が箱の中にたくさん入ってる
赤のボールペンを見て思い出す
これは元彼が私の家に置き忘れて行ったものだと

人生で一度だけバラを貰ったことがある
兄と電話で口論して　夜泣き尽くして眠りに着き
長い遅刻をして会社に行き上司に呆れた顔をされた
その日の夜にバラを貰ったのだ

女は夜景が好きとかバラが好きとか言うけれど
私はそういう類いの物に惹かれるタイプではない
けれど嬉しかった　形の愛を貰ったのは初めてだったから
一人でカレーを食べながら　今日もまた思い出してしまう