弔い日和
そらの珊瑚
晴れた日に
( )を捨てる それは
たったひとりだけで行う儀式のように
もう一度愛してから、という未練は
明るい光が消してくれる
洗いたての
( )を捨てる それが
慣れ親しんだ分身などというつもりは
まったくなくて
ただ今日という日が
最適だったと
そういう理由なのだ
川上から
( )が流れてくる 次々と
薄情な持ち主の手からはなたれたそれらは
浮き沈みしながらまるで
戯れあっているようだ
自由詩
弔い日和
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そらの珊瑚
2016-01-09 10:48:33
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