越境
梅昆布茶
ひとの心は果てしなく彷徨う
距離や時間を超えてゆく
痕跡にすぎないものに捉われ
憶測の触手をあすに伸ばしておののく
ときどき何かを削ぎ落しながら
変わってしまうことをおそれながらも
かたちのない自分を追い続ける
いつも密かに抱いている想い
それは越境する自分を映す幻灯機がほしいこと
明滅する生命のことわりを抱いて
自分の現在を捜しに行く
国境線がみえてきたら
ぼくのこころとからだは蛍になって
夜空に飛び立つ準備をはじめるのだ
自由詩
越境
Copyright
梅昆布茶
2016-01-08 19:19:06