あおい満月

そのあたたかい頬に触れると、
私のなかで握りしめた、
生まれたてのあたたかなものが、
少しずつ剥がれていくの。
その剥がれたもののなかにいるものは、
胎児のような私で、
私ははじめて触れる風に、
濡れた産毛をなびかせる。

私が産んだもうひとりの私が、
ゆっくりと目をあける。
見開かれた世界の星空には、
星に揺れる雪が降る。

私は、
ささやかだけれど、
光りに満ちた小さな愛を抱きしめる。
星が降る空の下、
あなたを愛している、
たったひとつの真実が、
私を導く。

今、
私の足下には、
黄金色に輝く
春の花が咲き乱れている。
この道の向こう、
風の彼方にいるあなたに
今、会いに行きます。


自由詩Copyright あおい満月 2016-01-07 23:41:35
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