クリスマス
葉leaf





若い電流のようなあなたに、私は余りあるだけの電子を分け与えることができただろうか。あなたの流れに変調を加え、振幅を大きくし、より複雑な回路を巡っていくだけの電圧を与えることができただろうか。私の回路とあなたの回路はもつれあい、絡まりあったが、最後に私は身をほどいて去っていった。親が子に先立つように去っていき、秋が訪れはじめた夏のように去っていった。去ることが最大の譲渡である、そのようにして私はあなたの存在の枢軸に残っていくだろう。



あなたとの間にできてしまった深い断裂。そこに橋を架けるためのするどい技術の雨が降り続ける。この断裂は互いに熱を帯びた私とあなたの接触を爆発から回避している。だが、その断裂の両側は依然互いの欠落を埋め合っている。あなたの歌はその断裂に響きながらどこまでも落ちていく。この断裂は何よりもあなたの存在に生まれた断裂だった。橋は架かるだろうか、そして橋の上で私とあなたは再びまなざしを奪い合えるだろうか。



自由詩 クリスマス Copyright 葉leaf 2015-12-26 07:54:59
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