寒い部屋
弓夜
いつものように
信号が赤から緑に変わって
歩き出して
家に帰っているよ
まだ君の香りが少し
残っていて
もったいないし寒いしで
窓も開けられずにいるよ
最初はちゃんと感じてたのに
慣れてきて忘れて
そのくせ
外から帰れば気がついて
憎らしいのに消せないよ
こんな風になってもまだ
君が何を考えていたのかなんて
わからないんだ
ずっと抱きしめて離さないでいたつもりだったけど
全然だめだったんだね
ぼくがいけなかったんだ
君は何も悪くないから
ぼくが悪いんだから
君はもう泣かなくていいから
ぼくがいつも君を笑顔にしたかったけど
それはもう僕じゃなくていいから
君がまた笑顔になってくれるなら
ぼくはこの寒い部屋で君のあたたかさ
思い出せるだけでいいから