時間、ありますか
梅昆布茶
生きることは単純なことの積み重ねなんだ
難しいことは何もないはずなのに躓く
躓くところから物語は始まるのかも知れない
ただ対処する方法がわからないだけ
たぶん物事に正解はないが解決するちからが必要なだけなんだろう
整理するべきことも沢山かかえながら
指をくわえて見ていたってなにも変わらないんだという
ラジオから流れるメッセージにうなずいて
メビウスリンクのような光がながれるスカイツリーが
夜に浮かんでいる辺りを走り抜ける
次々と要求されるパスワードにちょっと疲れているだけなんだ
いくつものドアをノックして誰にもあえない街に迷い込む
路地裏の野良猫も彼の世界観さえなかなか教えてくれない街に
生きることは些細なことの連続でたぶん
それがあなたの傾向や嗜好や生理学的なシルエット
やわらかなあなたの内部に深く浸透してゆくあいだに
あなたが変化にきづかないうちに変わってゆく
幾千もの夜と昼を経ていつか光のなかへもどってゆく
意味なんていつのまにか粉々に砕け散ってしまうものさ
いつかあなたの特別な物語を聴きたいんだが
そのときは時間をとっておいてくれますか?