見知らぬ町並みから
ヒヤシンス


 懐かしさを覚える町並みに深いため息をつく。
 明日に向き合う為のはっきりとした記憶。
 永い旅路を終えるとき、
 思い出すのはきっとそんなものだろう。

 青空がどこまでも澄んで見えるのは、
 自分に負い目が無いときだろう。
 夕焼け空が美しく見えるのは、
 自分を赦し、納得したときだろう。

 諦めるとは本当じゃない。
 真剣だからこそ人は悩む。
 自分に厳しくそして優しく。

 見知らぬ町並みがなんだか妙に懐かしい。
 思い出の中にだけ存在する人々が、
 新たな私の始まりを確信してくれている。


自由詩 見知らぬ町並みから Copyright ヒヤシンス 2015-12-22 15:04:12
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