見知らぬ町並みから
ヒヤシンス
懐かしさを覚える町並みに深いため息をつく。
明日に向き合う為のはっきりとした記憶。
永い旅路を終えるとき、
思い出すのはきっとそんなものだろう。
青空がどこまでも澄んで見えるのは、
自分に負い目が無いときだろう。
夕焼け空が美しく見えるのは、
自分を赦し、納得したときだろう。
諦めるとは本当じゃない。
真剣だからこそ人は悩む。
自分に厳しくそして優しく。
見知らぬ町並みがなんだか妙に懐かしい。
思い出の中にだけ存在する人々が、
新たな私の始まりを確信してくれている。