破壊深淵神話
たけし

”深淵を覗き込む者を深淵は覗き返す“ニーチェ


夜陰、
白い音響 広がる
水底の 深淵さらに
蠢き渦巻き破壊サレテイク
知覚感覚像、像という像

砕かれ粉砕され有機は無機へ
粉砕され匿名化され個体は遺体へ
溢れ出し吐き出され
私の意識を占拠スル遺体無機、無数無限
アクマとカミガミが夜毎闘い
カミガミの勝利!像の霊性を剥離し死への誘惑を断念させる
アクマはその都度舌打ちし
〈オマエは今のまま神となって楽になれたのに 
これからは昼日中でも貴様の官能が破裂するまで剥き出し誘惑してやる〉
そう宣告し去っていく奥へ奥へと
(俺の血流をどす黒く濁らせ)

遠い水の広がり 今日も燃え上がることなく
乳白色に濃く薄く
層を成す靄のなか
夜明けの天使達の伸びやかな浮遊
太陽は未だ到来せず
不可視 光の銀の粒子
無数乱舞している 静かな静かなこの朝


自由詩 破壊深淵神話 Copyright たけし 2015-12-19 14:45:56
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