湯たんぽ
春日線香
湯たんぽを使うようになって
夢の中にまでそれが付いて回るようになった
野末のだだっ広い大座敷や
寂れた遊園地のおばけやしき
はたまた性交の場面の片隅に
それは寄り添うようにいて
まだら色の尻尾をちぎれるほど振っている
夜中にふと目を覚ますと
いつのまにか足元から
真横に場所を移していたりして
じわじわと熱を送ってくれる
自分が生きていないのも知らずに
誰かの二本の腕が抱き寄せる
そういう夢を見ている
自由詩
湯たんぽ
Copyright
春日線香
2015-12-16 19:32:22
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