静かなる睡眠
乱太郎
眠れない夜の羊たち
番号を与えられ順番に沈黙に浚われていく
まるでアウシュビッツの塀の中で
私の孤独は刃の欠けた短刀
羊たちの羊毛を剥ぎ取ることも叶わない
そして絶望も錆びれて
耳を塞ぎたくなる高音の金きり音
羊達は帰ってはこない
眠ることのない夢の中の羊たち
神話の時代には金色に輝いて求められていた物たち
片隅でうごめいている私に
羊毛は贅沢すぎて
羊の群れは今夜も草原を駆ける
私は彼らを束縛できない
自由詩
静かなる睡眠
Copyright
乱太郎
2015-12-13 14:20:55
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