海/即興ゴルコンダ(仮)投稿.95
こうだたけみ

それであなたは、ト(イ)エバ

満ちてくるからだわずらわしい
海のこと考えてたら空が荒れて
沿岸の電車ことごとく止まる昼
彼女は青がこわいのだと言って
水族館におびえてる泳げるのに
彼なら鮫って即答してにやりと
思い浮かぶはあの効果音と共に

それでわたしは、ト(イ)エバ

満ちてくるカラダわずらわしい
海のこと考えてたら肌が荒れて
沿線の電車ことごとくディレイ
低気圧のせいだけでない頭痛で
タカハシ君は偏頭痛持ちと知る
世間様の金曜日の夜は華やいで
肩で眠る女子の香るシャンプー
満ちてくる、からわずらわしい
乗車率の上昇に比例して曇る窓
密度に耐えられなくて喘ぐのは
外へ顔を出したくてもがくのは
わたしじゃないですとそれでは
救われない掬われない売れ残り
金魚なら帰らない海へ青い海へ


自由詩 海/即興ゴルコンダ(仮)投稿.95 Copyright こうだたけみ 2015-12-11 23:11:43
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