乾いた雪
もっぷ
そういえば野葡萄の森には
女学生たちの笑い声が響いていた
ルージュをいまだ知らないいとけなさが
あまりにも無防備にうららかに
秋の終わりを彩っていた過日
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電気代・ガス代に事欠き
灯油のストーブなど置くスペースは無い
炬燵すら無理な部屋
いろいろを望みすぎる家電だからだ
それでも窓には約束の結露がみえ
遠い友人がすぐ間近に来ている
そんな心地に迷わせてくれる不思議
わたしはアルコールが全く駄目だから
人肌に酔わせてくれると言っても
それほどには笑い飛ばされはしないだろう
決めつけてみればここはどこかの
丘の上の赤い屋根の白壁の
煉瓦のアーチを構えた洋館にも
思えてくる
冬とはなんて暖かいのだろう
再び廻って来た一季
その手前にそういえば
野葡萄の森があったはず
女学生たちが笑っていた声が
あまりにも無防備に響いていて
うららかに秋の終わりを彩っていた過日
偽りなく過日のそれはわたしだった
(((いつから食べていなかったのか)))
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雪だろうか白いものが掌から
さらさらと さらさらと
とても乾いた雪なのだろうか
わたしはいま正気だろうか
死んでみたいと思ってはいたが