三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻  其の壱百壱〜其の壱百五
肉球マニア

千人斬りか。大言壮語したもんだなあ。いいなあ、若者は無鉄砲で(笑)
しかし、さすがに一人ではシンドイと泣きが入ったので、三人で百人ずつ交代でやることになりました。いやしくも他詩を斬るからには、みずからも無傷ではすまない、ということなんでしょう。

私は、ここでは「肉球マニア」と名のります。「にくたま」ではなく、犬や猫の、あの「にくきゅう」です。直接の典拠は「テイルズ オブ シンフォニア」で、わかる人にだけ、わかります。よろしくです。

スタイルは、仕方なく、熊髭b氏のものを踏襲します。
タイトルは、長すぎてセンス悪いけど、この際ガマンします。

えーい、とにかく、はじめてしまえ(笑)


□其の壱百壱

『し』 ねなぎ  ★★☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=609&from=listbyname.php%3Fencnm%3D%25A4%25CD%25A4%25CA%25A4%25AE

芭蕉の有名な句のパロディーといったら、かの俳聖に失礼かどうかは、いまは問わんでおこっと。「冷蔵庫」のところで笑わされた。本家のほうは「閑さや岩にしみ入蝉の声」(しづかさやいわにしみいるせみのこえ)なのだが、「岩」にではなく「部屋」にしみいるモノが、ドデンとした冷蔵庫なのが、なんとも可笑しい。「蝉の声」のかわりに、いきなり「冷蔵庫」ときたので、どこにしろ「冷蔵庫」がしみいるムリムリでナンセンスな絵を思い浮かべてしまったのだ。冷蔵庫の「音」だったら事件は起こらなかったが、それじゃふつうで、笑えなかったと思うと、微妙である。ちょっとウケた。
って、これって川柳だったのか。いま気がついた(笑)


□其の壱百弐

『遠くでぼくらが病んでいる』 青色銀河団  ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=3305&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B1%25F3%25A4%25AF%25A4%25C7%25A4%25DC%25A4%25AF%25A4%25E9%25A4%25AC%25C9%25C2%25A4%25F3%25A4%25C7%25A4%25A4%25A4%25EB


「落とした」「使い物にならない」「開かれることのない」と矢継ぎ早な言葉の出し方が気になる。負性へ傾くポーズ。しかし「花のように病んでいる」と言い「細い傷口を生きてゆく」と断定する口調には、どこか他人ごとのような諦念が感じられる。遠くで病んでいる「ぼくら」と、それをまた遠くから見ている「ぼくら」は同じ者たちなのか。そこに何か解きがたい観想がおこなわれているのだろうか。言葉が表面的なところですべっているように見えるのは、そのせいなのかもしれない。ちょっと核心へせまる手がかりが見つからない、が率直な感想で、それがもどかしい。


□其の壱百参

『故郷』 コンギ ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=28393&from=listbyname.php%3Fencnm%3D%25A5%25B3%25A5%25F3%25A5%25AE

こんなふうに言われると、ちょっとひきます。もう少しバラエティーになったほうがいいかも。でも、おっしゃりたいことは、なんとなくわかりました。たしかに、ひとは癒されることを望む存在といえますが、ときどき矜持のために、みずから傷をかきひろげるバカもいて、どちらかというとバカのほうが好きです。ま、いろいろあるということで(笑)


□其の壱百四

『女の子を抱くときに思ういくつかの事』 山田三平 ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=2816&from=listbyname.php%3Fencnm%3D%25BB%25B3%25C5%25C4%25BB%25B0%25CA%25BF

私は女の子を抱くときに、こんなことは思わんな。アタマのなか、まっしろになるし。とくに「馬鹿なふたり」のようなことは絶対思わんな。女の子を抱くときはいつも全力さ。しかし、この「馬鹿なふたり」のところが、いちばん面白かった。なかなか考えつかないぞ(笑)


□其の壱百五

『コンクリートブロック 』 ミチヨ  ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14412&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25B3%25A5%25F3%25A5%25AF%25A5%25EA%25A1%25BC%25A5%25C8%25A5%25D6%25A5%25ED%25A5%25C3%25A5%25AF


言葉には、かかれたものを実現しようとする力がある、と思う。だから人々は古来から呪文や絵馬などで、想いや願いをかなえようとしてきたのだ、と思う。だから私は「赦すことのない石で/神経をすりつぶせ」とか「くらくらのコンクリートに/神経をはき解いて/一糸一糸/この繊細な内燃器官/耐えられないのなら/無くたってかまわない」(あ、全文引用してしまった)というような言葉に出会うとツライ。でも、あえてかくことで厄おとしをする効能も詩にはある、のかもしれない。元気だしてね。





ふう。五人分読んだら、いいかげん疲れてしまった。私は熊髭b氏とちがって、バカみたいにタフじゃないからな(笑)。初回はこんなもんで、かんべんしてもらおっと。


散文(批評随筆小説等) 三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻  其の壱百壱〜其の壱百五 Copyright 肉球マニア 2005-02-19 01:26:52
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