ジュラルミンの冬
藤山 誠
冬の暗い夜に
遠くから聞こえくる音は
線路の断末魔である
パソコンの光だけは
部屋に拡がって
四隅の闇に吸い込まれていく
誰も世界につながることはできない
誰も外に出ることはできない
小さくて暗くて冷たい
金属の部屋の中で
壁にいっぱいの落書きを残して
一人裸で死んでいく
自由詩
ジュラルミンの冬
Copyright
藤山 誠
2015-12-07 03:38:06