進歩する日々
ヒヤシンス


 高原の爽やかな風が私を撫ぜる。
 あなたと過ごしたあの夏は過ぎ去った時の上に浮かんでいる。
 ぽーん、ぽーん。
 冬が来たのだ。

 定宿に置いてきた古皮の手帳にはあの頃の私の言葉が並んでいるだろう。
 過去に目覚めて未来を楽しむ。
 またひとつ悲しみを乗り越えて私は強くなる。
 あなたとの思い出は深く心に刻まれている。

 気がつけば窓の外には雪が降る。
 流した雫も雪になる。
 ピンクはいつしか純白に変わる。

 高原の山小屋で今年も冬を迎えよう。
 あなたは私に光をくれた。
 今年の冬はあなたのお墓参りにでも行こうか。


自由詩 進歩する日々 Copyright ヒヤシンス 2015-12-05 05:40:11
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