ひかりの温度
吉岡ペペロ

桜島だ

さっきホームはすこし肌寒かったのに

動き出した電車から桜島をながめていると

ぼくはひかりの温度に右側を押されている

ぼんやりとした鈍痛を感じながら湾をながめる

あれは海苔の養殖だろうか

海と鉄路のあいだを車が走っている

地形に沿ってぼくらは走っている


おぼろげに見えてくる

おぼろげに見えてくることに即実的な効用はない

だが準備だけはできる


桜島だ

さっきホームはすこし肌寒かったのに

動き出した電車から桜島をながめていると

ぼくはひかりの温度に右側を押されている

ぼんやりとした鈍痛を感じながら湾をながめる

あれは海苔の養殖だろうか

海と鉄路のあいだを車が走っている

地形に沿ってぼくらは走っている










自由詩 ひかりの温度 Copyright 吉岡ペペロ 2015-12-04 06:58:23
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