レオ

1
僕は勢いよく駆け出した!!

身体が軽い、痛みも消えた
毛並みも艶やかで若々しい

僕は解放されたのだ!

僕は夜の街を走る
いつもの散歩道、僕の街
家の中から地球の裏側まで

『なんて気持ちいいのだろう!』

月の光の祝福を受けながら
僕は風になった
光になった

2
家に帰るとみんな泣いていた
箱を囲んでないていた

『なんで泣いてるんだろうか』
覗き込むと僕がいた

僕は真っ白になって
微笑んだまま微動だにしなかった

その周りでみんな泣いていた
変な光景だった
だって僕はここにいるのに

3
僕はみんなの周りにいた
いつものように

みんなのいるところで遊び
みんなの隣に座り

みんなの話し声を
BGMにしながら眠った

みんなの日常の中に
僕の非日常があった
幸せだった

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僕はこれからもここにいる
太陽や葉っぱ、お花
虫や海、空や山になって
光になって

僕は
みんなの日常に溶け込む
みんなの笑顔を
見つめながら
生き続ける


永遠に15歳のままのレオに贈る



自由詩 レオ Copyright  2015-11-30 09:22:30
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