余韻
レモン
気怠い午後だ。
こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。
神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
アンブローシアは、
不老不死の実だっただろうか。
曖昧な記憶を
ぼんやり弄びながら
アンブローシアという聖なる果実を
描いてみる
水蜜桃
を
思い浮かべた自分に
うんざりしながら
葉や花の無い樹だろう
と、
何となくマンドラゴラのように
もぎ取るとき
悲鳴めいたソプラノで唄うのだろう
そんな気がした。
(((【も・ぐ
という字は
テヘンに宛と書くらしいが、
旧式のガラケーでは
何処を捜しても見つからず
次第に苛立ってきて、
とろり。
と
溶けてしまうような
微睡みを期待してたのだが台無しだ】)))
冷蔵庫の
熟した濃厚なアボガドでは
気が収まらない。
新鮮なレバ刺し
ユッケやビーフタルタルではなく
なまの内臓特有の
舌触りと噛みしめる甘さが
無性に欲しくなった。
出かけようか
ざわざわ騒ぐ欲求を満たして
泥睡に
酔い痴れたい