おやすみがなくなったら
瑞海
流れ星を数える夜は
一人寂しく冷たい黒
おやすみのあとの秘め事は
誰にも気付かれない
空の星を金平糖にして
食べていることも
誰も気付かない
約束したのだ
海のクラゲと
星がいなくなったら
海のクラゲとお月様は
夜二人きりになるそうだ
おやすみのあとの秘め事は
君の夢を見ること
夜の海に入って
深く息を交え合う
疲れ凍えた体に
手を添えあって
おやすみと言って
目醒める
君も海と月が好きだから
海月も好きだろうなあ
おやすみがなくなったら
約束破りの僕なんか
君に振り向いてももらえない
おやすみがなくなったら
夢の中で冷たい海に沈んで
海のクラゲに刺されて
死んでしまうのだろう
だから
おやすみ