業の行方
貝の石

空きの無い羅列の椅子に
また今日も
嘆息する

狭い踊り場は
且つ
斜(しゃ)に構えて視ると
歪に歪に
人影惑う

陽に降れる日もあれば
曇天に疼き
稲光に泪する陰りもあり

多面な彩(いろ)と毒と
刃の背を
蛇は
今日も
一面を這う

踊り場は狭く
変容を厭い
佇むことを生業とす

斜に凭れ掛かる人影の
縁(ふち)を
脱皮という
祓いを
苦に
蛇は這わねばならず


自由詩 業の行方 Copyright 貝の石 2015-11-23 22:25:16
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