オイタル

風呂場の排水溝に
退散する泡たちにまぎれて
私の恋が吸われていく

私は両手で恋

と叫ぶが

お前が遠くで
あまりに 手を振るものだから
窓枠も ワイシャツも
追い付けないくらい速く
手を振るものだから

しんと黙った裏の小屋
風の紳士たちが
うそとほんとを
入れ替えている


自由詩Copyright オイタル 2015-11-23 22:23:06
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