夜汽車
ガト

換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


台所を片付けながら
誰にともなく呟く

人間や物の境を越えて過ぎ去る日々

洗いものを止めてうつろう目に
雪の中を走る夜汽車が見えた


自由詩 夜汽車 Copyright ガト 2015-11-19 16:51:58
notebook Home 戻る