テレビを見ている。
はるな


ふくらんだりしぼんだり、ななめったり乾いたり、まわったりこわれかけたり、いったりいかれたり、また冬がきたりして。庭の満天星赤くなったね、蜜柑の実成りながら腐ったり。黒い宝籤は毛並から冬支度、私の髪もまた背中に届きかけたり、娘の靴買ったり。死にたいって言わなかったり、言わなかったら忘れたり。忘れたのに思い出したり、思い出しては捨てにいったり、そうしていつか同じ場所を買い求めたり。こんなに人が死んで、人は人を殺してはいけないように出来てないんだなと思った、それはそうだな、チキンステーキ食べながら、殺してはいけないように最初からできていればよかったかな?人が死んで、またテレビを見てる。娘を寝かせて、はだしになって、座って、テレビをみてる、庭の満天星赤くなったが、まだ、テレビ見てる。



散文(批評随筆小説等) テレビを見ている。 Copyright はるな 2015-11-18 14:14:57
notebook Home 戻る