グロウ
高橋良幸

川の両端だけよく繁る道で
吐く息はまだ白くないけれど
朝の光はもう低くて、眩しい
木々の間からちらちらちらちらしている

踏み固められた土の上で
どんぐりが無数に砕かれたのを目で追っていると
(なかにはまるまんまのもかなりある)
ふと木漏れ日は
地面が光るようだった

そうか
肌寒さと陽光の暖かさとがその発光なのだと思う
発熱が光として見えるようす
アスファルトの道路に出て
前を行く自転車の影が
子を乗せ、生き生きとして見えた


自由詩 グロウ Copyright 高橋良幸 2015-11-07 20:03:48
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