百億万画素のデジタルカメラ
イオン
「芸人ヨシダリアンの新発見伝コーナーです
先ほど映像、すごかったでしょう
今日は、スタジオに
この百億万画素のデジタルカメラを開発した
佐野博士にお越し頂きました」
「よろしくお願いします」
「博士、先ほどの映像にもありましたが
本当に毛穴以上写るなんてすごいですね
今後、どのうような分野で用いられるのでしょうか」
「はい、医療用や精密部品の検査などですね」
「博士、あの、写真というのは
真実が写ると書きますが
このデジタルカメラができて
毛穴以上写るまで進歩してきました
今後、本心まで写る時代が来て
世界から嘘が無くなる
なんていうことはあるんでしょうか?」
「あぁ、それは
その、鋭い質問ですね
いや、ある人事関係の部門から
本心まで写せるカメラの研究依頼が来ています
撮影に応じない者は怪しいから採用しない
長く勤める気があるかどうか解るものと」
「えー、オレのコメント、当たってるやん!」
「あぁ、ビックリしましたよ
あのね、今の時代、不正を生む人材を
どうやって排除するかが問題になっています
まずは、撮影に応じるかどうかで
選別できれば十分だと」
「なるほどね
社員も定期的に撮影するとかね
撮影に応じない者は怪しいから退職させるとかね」
「そうですね」
「でも、博士
デジタルカメラの進歩はすごいんですが
本当にそのレベルまで行くんでしょうか?」
「技術的には可能ですが
倫理的に人間がそれを望んでいないと思うのです」
「えっ、どういうことですか?」
「今も、ウソ発見器があるのに
犯罪者に黙秘権が許されていますよね
そういことです」
「あぁ、なるほど、だからウソ発見器は
進化しないってことですね」
「そういうことだと思います
ある程度のところで解像度も止めないと
デジタルカメラで記念撮影するのも
危険なことになってしまいます」
「えっ、怖いがなー
そうですか、今日は
佐野博士においでいただきました
博士、ありがとうございました」