クープランの墓
梅昆布茶

いつか説明できる自分になりたいとおもったが
いつも途中でひきかえしてばかり

丘の上の教会の牧師さまを質問ぜめにし
彼の額の皺がひとつ増えたのをみとどけて
それでもつぎなる質問をかんがえつづけた

ラヴェルのピアノ曲集のような森を散策するように
ポリグラフの要らない自分を夢想してみる

そうせっかくの君宛の手紙を
ずっと出し忘れていただけなんだって
ふと気づいた午後

説明できない理由を説明できないのが
あたりまえなのだともおもうのです

北向きの部屋にまるい掛け時計だけが
増えてゆくものと減ってゆくもののあいだを
刻んでいるだけなのですが



自由詩 クープランの墓 Copyright 梅昆布茶 2015-11-03 15:33:20
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