クープランの墓
梅昆布茶
いつか説明できる自分になりたいとおもったが
いつも途中でひきかえしてばかり
丘の上の教会の牧師さまを質問ぜめにし
彼の額の皺がひとつ増えたのをみとどけて
それでもつぎなる質問をかんがえつづけた
ラヴェルのピアノ曲集のような森を散策するように
ポリグラフの要らない自分を夢想してみる
そうせっかくの君宛の手紙を
ずっと出し忘れていただけなんだって
ふと気づいた午後
説明できない理由を説明できないのが
あたりまえなのだともおもうのです
北向きの部屋にまるい掛け時計だけが
増えてゆくものと減ってゆくもののあいだを
刻んでいるだけなのですが