釣瓶落とし
レタス


秋の空に
魂が飛んでゆく

澄んだ鋼色の空に
身も心も消えていった

今日の時計ゆっくりと
カチリ カチリ と緩やかに
気怠く秒針は時を刻み続けていた

豊穣の祭りも終わりを告げて
静かな夜が更けてゆき

台所の音を聴きながら
夕餉を待つ

もうそろそろ
冬が近くなる
耳だけが
その便りの識しで
ぼくは新聞にまなこを落とす

昨日、今日、明日、
在ること、無い事、解らないこと、
まるで占いのようだ

ゆっくりと時計は秒針を刻んでゆく








自由詩 釣瓶落とし Copyright レタス 2015-10-27 20:13:30
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