そば屋
レタス


そば屋で
肩を落とした
お前をみることはできなかった
あまりにも淋しすぎて

一味でも
七味でも
やたらに振るお前を
見ていることなどできないでいた

ラジオの音だけが
俺たちの関係を修復する

お前はたぬきそば
俺は月見そばで

おまえは一味と七味をたくさん振りかけて
涙を流し
その肩を揺らしていた

俺はラジオにごまかして
流行り歌をくちずさんだ

たぶん
また春が来れば
お前はもとに戻るだろう

俺はとにかく
最後に黄味をすすり
少しだけ笑った







自由詩 そば屋 Copyright レタス 2015-10-25 19:26:52
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