苦い昼
アラガイs


どろどろの味噌汁を椀ごとぶちまけた
いつものような朝食だった
突然油のきれていないベーコンに腹がたったからだ
台所の窓ガラスが割れ
誰かが小石を投げたと僕は嘘をついた
夕方になれば今日の痛みを忘れる
夜食は迷うばかりで
その日から会社へ通うのが苦痛になってきた

今日も午後からは快晴が続き
以前から庭先の通り道に蟻が砂粒を噛み砕いていた
よくみればそこに猫の糞が落ちていた
小山の砂粒を何度も足で踏み固め
僕はシャベルで穴を掘り糞を埋めた
出口を塞いでやったのだ
朝は3錠の薬を飲むことをよく忘れる
蟻の巣はまだ子供のままだった 。










お題を頂きました。


自由詩 苦い昼 Copyright アラガイs 2015-10-24 12:22:04
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