泣けない女の子
陽向∮

一人でいる方が楽だから大丈夫 という声が小さい
大勢の中に入ると面倒 という声を出すのが面倒

私は何をしているんだろう
なんで私はこんなに辛いんだろう

思えば 私は私のことしか考えてきていない
他のことは なんでも飽きるのに
失う物すらない私は 何も失わないように
自分のことばかり考えてる それだけは飽きない

ああ あの優しい人に
せめて声を掛けてもらいたいとだけ思ってる

ガタガタ ガタガタと鳴っている
それは私にしか聞こえない いつも鳴ってる音

本当は知ってる このままでいいとは思っていない
他人が羨ましいし 泣かないふりが上手になってるって

わたしはひとりなの みんなも
遠くにいるのは他人だと知ってるけど
もっと遠くにいるのは 成りたい自分だから

あの優しい人に あの優しい人が振り向いてくれるように
みんなの輪に入らなくちゃ

今日の自分は 明日の自分からは背中しか見えないから
思い出しても振り向いてくれない

何をやっていたんだろう 
あの優しい人は 泣かないふりばかりしている
私の中でずっと泣いていたんだよ

みんなの輪に入ろう という声が胸のうちで響いた


自由詩 泣けない女の子 Copyright 陽向∮ 2015-10-22 14:10:38
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