水辺の恋
石瀬琳々
花一輪、波紋を作るみずうみにたゆたう心七月の舟
摘み捨てて赤い花ばかり選んでは水辺の恋の淋しいあそび
白い鳥飛び立つ果てに海がある君の涙をもとめて遠く
いとしくて細い指さきのばしては摘み取る果実青い雨が降る
祭り前夜ツインソウルの見る夢に目覚めるあしたリボンをほどく
夏の終わり帽子を風に翻し君のカルナパルつばさひろげて
星月夜、見つめ返すは遠い窓カレイドスコープを覗くまなざし
ただ君に寄せてゆく波いたずらに朱をこぼしつつ秋草の岸
水の重さ愛する罪はウンディーネ君の背中に雨音を聴く
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薊道