イグニッション ignition
itukamitaniji

イグニッション ignition

そしてまた君は 飛び立つ宇宙船に手を振って立ち尽くした
また会おうね。って約束も 端から果たせないと諦めてる

そして頭上には 何事もなかったように空っぽが戻ってきて
小さな君を置き去りにして 世界に蓋をして閉じ込めた

さよなら宇宙船 君は地べたを這いずり回っては
どこへも行けない理由を 必死に用意するのさ


いつでもポジティブで元気な 友達をいつも誉めて称えた
君はプラスの影に紛れて マイナスになってかくれんぼ

いつでも勇敢で人気者の 友達がずっと羨ましかった
マイナスばかり群れて 掛けてプラスになれれば世話ないけど

もうダメなんだ。とか 諦めてしまおう。とか
君が君自身を陥れようとする 呪いの言葉たちも
実は君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の推進剤
燃やして灰になれば マイナスもプラスも区別はつかないぜ


ここに居たくない。って でも何処へも行けやしない。って
君を押さえつけてた 矛盾という名の重力の反動こそが
君を外の世界へ 解き放ってくれる一番の原動力
空はいつだって開いている 探しに行こうぜ

この広い宇宙でたったひとつだけの
君の名を冠した星に


自由詩 イグニッション ignition Copyright itukamitaniji 2015-10-17 13:04:41
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勝手に詩集『ウチュウッポイノ』