顕微鏡
ふるる

寒いのですもの
帰ってきました
お嬢さん
おはいんなさい
さあ

光の中へ
しずしずと参りました
クマムシのお嬢さん
ちっともじっとしてやしない
むにむに
六対のおみ足が健気です

この装置をですね
そうくいっとしますと
ピント合います
きました
みなさん
お元気そうで何より
いや飽きませんなあ
透明で
ラッパのようなの
ぴっぴっと吸い込み中
管のようなの
ぴくっ
すいんすいんすいん
ぴくっ
そんなに
ぴくっとなさらんでも
見てるこっちも
ぴくっとなりますがな
○にひもですか
風船ぽいですな
おかわいらしい
風船さんもにゅるーにゅるるーときてからの
ぴくっ

みなさん
なかなか働き者でいらっしゃる
おっ
つつつつ
ついーと横切って
素早いっ
さすが
立派
おせいが出ますなあ
むう
感心感心
感心しきりですなあ

おや
もうおしまいになさいますか

あれ
捨ててしまわれる

シャーレの中身をそっくり
わたくしごと
あれれれれれれ
水道水でジャーっと
ああー

そうですかー





自由詩 顕微鏡 Copyright ふるる 2015-10-11 10:19:15
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