かじりついてもいい
乱太郎



平坦な生き方しかしてこなかった
それでいいと思っている
薄っぺらなままだった
それでちょうどいいと思っている
しかし
味はいろいろ覚えてきたつもり
甘めの醤油味みたいな
ざらざらした砂糖味みたいな
胡麻化して逃げたのは先祖代々の癖か
それでも憎まれたことはない
まあさっぱりしたところが人気の秘密かな
ちょっとした火遊びもしたものだ
ところどころに
いまでもその傷跡は残って
敬遠されることもあるのだが
自慢でないが勲章だと自惚れている

そこの姉さん兄さん
この焼きたての香ばしい匂いいかが
千兵衛と名の申すものじゃ


自由詩 かじりついてもいい Copyright 乱太郎 2015-10-09 15:59:05
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