林檎 Ⅱ
瑞海



少し寒い季節になったら
愛おしくなる気持ちがある
簡単には掴めない黒い気持ちと
表裏一体なので
この気持ち達は
赤赤く丸みを帯びた
知恵の実のように
私を堕落させていく

ほら
首のあたりに
LANポートみたいな
穴があるでしょう
赤い糸をここに繋いだら
罪を分け合って
もう少し永く生きられる

足して2で割れば
軽くなるほど
甘いものではないのを
知っているけれど

同じ痛みを
君に与えたい
同じく苦しみたい
そして海で眠りたい

暗闇にのまれて
帰れなくなる
彷徨い泣き続ける

そんな夜だってある



自由詩 林檎 Ⅱ Copyright 瑞海 2015-10-06 21:37:08
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