しだ
春日線香
しだをもらった
めずらしい種類のものだというので
別に鉢を新調して植えつけてやる
さほどうまくはない手つきで
子供の手指ほどの根を土に埋めて
ひとまず一鉢を仕立てる
それを枕辺に置いて眺めると
なるほど立派な植物に思えてくる
これは大したものを手に入れた
と悦に入るうちに眠りに落ちこみ
夢の葉ごしに見える夜空には
目玉のような星々が瞬き
はるか彼方まで続く大森林を
うっとりと見下ろしていた
自由詩
しだ
Copyright
春日線香
2015-10-02 23:10:30
縦