for you
梅昆布茶

朝がくることを待ちこがれるほどではないが
ちょっと陽がさす

古い集合住宅の一階の湿気のこもりがちな
鉄筋コンクリートで仕切られた空間が
僕のすてきな居場所だ

教会の鐘はどこからも聴こえないが
ちいさな天使が風に紛れて歌っているような朝だ

無用な旋回はすくなくなったとおもうが
不安定はぼくの常態だと観念したほうが楽なんだ

人生は肯定や拍手ばかりではないが
やさしい朝はいつもきみのものだ

誰にも奪えない朝のきみに
いつか出逢いたいとおもっている

僕は歌えるかもしれない
目的ははわからないが

すくなくともきみのために



自由詩 for you Copyright 梅昆布茶 2015-09-30 10:44:26
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