古き良き坂道で
千波 一也
おだやかな午後を歩くなら
ゆるやかな上り坂がいい
日常の片隅に
忘れ置かれたような
近くて遠い坂道がいい
陽光と、微風と、なつかしい匂い
その再会は
ひとつの約束を果たしたような
心地よい疲労をくれる
脈々とした日を思い描くなら
ゆるやかな上り坂がいい
ささやかな金いろの
或いはわずか青いろの
自由詩
古き良き坂道で
Copyright
千波 一也
2015-09-25 14:03:31