天空爆発
たけし

巨大な光球の数数、
雪の原野真上に
収縮膨張繰り返しながら瞬き
立ち竦む少年を凝視し無言のコトバを送る

<忘れるな

我々がおまえの存在に

常に関与していることを>


雪の原野は
静まり返って
青白く照らされ
艶やか浮き上がる
凍結した表層軋ませ
何処までも遠く遠く
少年の意識も一緒に
密に密に奥まっていく

意識と意識の接合点?

いつしか少年の意識は
巨大な意識に包まれ
赤々と呑み込まれいく
その感触に畏怖し慄きながら
けれど自らの意識が
今まで体験したことのないレベルで
明晰判明になっていくことに驚きもし

不意に唐突
都会では観たことのない巨大な星々の凝視が
 やがて一点の漆黒の凹みへと収束する
ことを体感する
其処から
信じられないほど透明な音響と圧倒的な光の帯

降り注ぐ降り注ぐ
絶えず不断に
無限無限!

か み さ ま ?

少年はそう呟き
同時に
天球を斜めに横断していく巨大な流星が
猛烈な爆発音を放ち
火花を放射し消える中
自らの存在が
四分五裂され
粉砕されていく
そのことをありありと実感し
その場に
膝まずいていた。












自由詩 天空爆発 Copyright たけし 2015-09-24 19:18:29
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