センチメンタル誤作動
初谷むい
誤作動で落ちてくる雨。質量のない感傷でゆれている喉
痛みって色も形も無いだろう。きみに触って少し傷つく
劣情がわたしのうでを引いている。平たい瞼。熱い瞼だ。
かなしんだことがいちどもないんです。運命論者の夏のセックス
ひろがっていける気がする。祈ってるみたいな形の変な銅像
夜の菌。感染しないし安全でゆっくりわたしをよわくしてゆく
ぼくたちはいずれ腐っていく皮膚をなでたりしながら恋をしていた。
声だけでわかったきみが泣いている。ポケモンシール貼られた受話器
あ、しぬ。と気軽に言っちゃうきみがすき。すこしみらいで許されていて