名づく/即興ゴルコンダ(仮)投稿.74
こうだたけみ

一昨日からペンギンのぬいぐるみの名前を考えている。私はペン助はどうかと言うのに彼は首を縦に振らない。じゃあなんてつけるのって聞くと黙りこむから、私はペン助と呼びつづけている。ペン助をもふりたい。ずいぶん前から思考回路はくたびれていて、スイッチを入れたってうんともすんとも言わないで、気の利いた言葉遊びの一つも出てこないから、余裕ないのねって乾いた笑いが口から漏れる。ぬいぐるみって都合がいいね、一方通行でかまわないから。責任の所在はぼやかしたまま、いらなくなったら捨てればいい。雲が、段々畑みたいになっていて、電車のなかからじゃ写真は撮れないからメールでお知らせする。でもきっとその文字情報を見るころには雲なんて消えているから、近いけど遠いなって思う。それで何の話だったっけ? ペン助の話。ぬいぐるみにつける名前の話でしょ。うん、ペン助の名前の話。


自由詩 名づく/即興ゴルコンダ(仮)投稿.74 Copyright こうだたけみ 2015-09-23 09:59:57
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