痛い思考~神秘と現実
朝焼彩茜色



剥ぎたい

もしくは

突破したい

 この皮を削ぎ落として生まれ変わりたいくらい

 直立不動に酔いたい

  頼もしかった諸刃を振り回していた鏡の世界に

  会いたい

  名月の度に神秘を喰っていた自分に会いたい


   流れて程よく大河に合流した人魚は海へゆくのを
   躊躇の群れに尋ねる
   応答の渦潮は作業の手を休めずに嵐を喰って怒鳴り
   裂けてゆく

   どこでどう裂けようとどちらにしろ正しい
   後悔もまた後悔としか生きてゆけなくとも


  名月への梯子がかかる今を 自然の守護神と打ち合わせする
  逃避と否定と無関心と傍観と諦めが克己の鍵

 見つめてやるんだ

 向かい合ってやるんだ

 こんな生き方をしてきた鏡の世界のかわいこちゃんを

 言い訳がまだ吐き出せないで血液が色褪せそうだ

摩訶不思議を感じる 何度目の止めか もがきを見つめる一寸先の自分


自由詩 痛い思考~神秘と現実 Copyright 朝焼彩茜色 2015-09-22 14:28:16
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