16歳の夏休み
かんな



一人称についての
ダイアログをスキップして
夕日を抱けば恋をした
海で拾う貝殻に
耳を当てるたび頑なな自分を
否定した
ひりひりした
砂で顔を洗えば
いくつもの化粧は落ちていった
空を見ることが唯一
戦わないこと
君を抱きたい
キスは証明のように言葉を
ことごとく包んで放さなかった
覚えておきたい
シーツの染みに埋没する
疑問を追及しない
大人になってしまったら
きっと
また出会わない






自由詩 16歳の夏休み Copyright かんな 2015-09-20 20:57:03
notebook Home 戻る