未来族
umineko

友人のライブに
行ってきました
友人、とまでは言えないほどの
顔見知り、くらいの範疇の

ライブのタイトルは
何年か前の
大震災のチャリティーだ
本日の入場料の幾ばくかを
明日
フクシマに持参します
ありがとう!と彼が叫ぶ
パーカッションがそれに従う
私は

遠い街の行進を想う
法案反対の
とりどりののぼりを立てて
そこでも
声が聞こえるはずだ
許すな
横暴を
独裁を
芸能人が
音楽家が
それぞれのことばを
拡声器で

私は
ライブハウスの最前列で
その
ちょっと小太りで(ごめん
トークが時々すべる(ほんとごめんね
そんな彼の熱気を浴びて

私には
未来はよくわからない
遠い海峡の
機雷撤去がいつなのか
それが
そのまま戦いの
黒いうねりに変わるのか

ライブハウスの最前列で
私は
南三陸の
あの海を思い出す

残された街
重機の羅列

そして
私が生きること

未来族には
なれそうもない

今を
私が生きること
 
 
 
 



自由詩 未来族 Copyright umineko 2015-09-20 18:26:39
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